Bella Notte
 濃紺の生地に白百合の花が描かれている物とアイボリーの生地に乙女色や藤色の花が描かれている物。

 クールと可愛いのどちらがいいのか。

 好きなのは可愛い、だけどきっと自分に似合うのはクール系。

 ため息を1つついて、濃紺の浴衣を手に取った。
 帯はそうだな、空色の帯にしよう。
 肌着を着て整え、姿見の前で手際よく着付けて帯を蝶結びに結ぶ。

 久しぶりだけれど中々上手くできたと思う。
 鏡の前で1回り。

 そうこうしてると家のチャイムが来客を知らせる。
 インターフォンの画面を見れば、ご機嫌なハルが手を振っているのが目に入る。

 どうぞ。と一言告げて家へ招き入れる。

 「わぁ!楓素敵!」

 瞳を輝かせて和室へやってきたハル。
 その手には桃色の可愛らしい浴衣があって、ハルらしいな、と笑みがこほれる。

「サロンが混んでるらしいから、早めに着替えていこうと思ってるんだけど大丈夫?」

 と聞けば。

「平気〜」と服を脱ぎ肌着を着て浴衣を羽織る。

「では楓先生お願いします」

 可愛いらしい笑顔でお願いされる。
 浴衣を整えて、帯を締める。布ずれの音が心地いい。

「蝶結びでいい?」と聞けばご機嫌に「うん」と返事がある。

 姿見に写るハルは本当に可愛い。甘いお菓子みたいな可愛いハル。

「うん。完成!可愛い!」

 と思わずこぼれてしまう。
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