Bella Notte
 ―――― 優斗へのプレゼントを何にしようかと1人でウィンドウショッピング中。

 周りを見渡すと、家族連れにカップルだらけ。
 多分実際にはそんな事は無いのだろうけれど、目に付くのはそこで。
ふと、視線を感じてビルへ目をやると巨大な広告写真が――――。

 優斗がこっちをみて極上の笑みをたたえている。
 
 この笑顔は表の『王子様』。優斗はこの世界で5年頑張ってきたんだよね。

 それでも今ここで隣にいない事、何気ない日常を共にできない事の寂しさを噛みしめている。

 私に大切な仕事があるように、優斗にも大切な夢や仕事がある。
 そう考えて、熱愛報道の時は距離を取ったというのに。
(いつからこんな贅沢な事考えるようになったの)

 街はホリデーシーズンで最高潮の華やぎと輝きを魅せている。
 その中にたった1人で取り残されたような気分になりながら。

 あの夜は私を変えてしまったのかなと甘い気持ちが胸に広がる。
 とはいえ今夜は少しでも一緒に過ごせる。

 ふとショーウィンドウに飾ってある、クリアブルーの写真立てが目に入る。
(そうだ ――――)

 写真立てを購入し、ラッピングは自分でするからと包装資材を貰って。
 急いで自宅へ戻ることにした。

 リビングの机の上にあるパソコンを開いて、フォトアプリを起動する。
「あった」
 それは、故郷のあの海辺でとった写真。

 

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