シンデレラ 魔法で動かせないもの

シンデレラの魔法使い

 シンデレラは魔法使いのおばあさんと取引をした。
「私はお金を持っていません。ですが、いずれお金持ちになれたらその時は出世払いをします。どうしてもパーティーに行きたいのです」

 魔法使いのおばあさんは考えました。今、はした金をもらってもたいした金額にはならない。どうせならば国で一番の金持ちになってから恩返しをしてもらおう。そして、おばあさんはわざと片方のくつだけ魔法をかけたままにしたのです。それは、絶妙なさじかげんであり、戦略でもありました。ベテランだからできたことだったのです。

「もし、パーティーに行く準備をしたら、私のねがいをかなえてくれるかい?」
 魔法使いは確認して、誓約書を書かせました。

「もちろんです」
 シンデレラは喜んで誓約書にサインをしました。これで取引成立となります。シンデレラと魔法使いは固い握手をして約束を誓いました。

 シンデレラの結婚式に魔法使いのおばあさんは大臣として招待されていました。




★解説
 魔法使いのおばあさんが自分自身が美しくなって王子様と結婚するという手もあったと思うけれど、国の大臣として国を動かしたかったのかもしれない。魔法で国を動かすのは難しい。大臣になって国を動かしたほうが早いということなのかもしれない。大出世する成功例を例えて、シンデレラストーリーという。魔法使いこそが成功した張本人だったとしたら、魔法使いストーリーといういい方も悪くないと思う。

 彼女は先見の明があったのかもしれない。だからこそ、シンデレラを選んだのかもしれないし、魔法使いがシンデレラの未来を確定する魔法をかけたのかもしれない。それは誰にもわからないことだけど。

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