大きくなる悲劇

大きくなるという悲劇

 身長が3センチ程度の少年イッサが存在していました。彼の顔立ちはとても格好はいいのですが、その身長のせいで、色々なことに慎重になってしまいました。

 人間に踏まれれば即死するかもしれないし、車にひかれたらおしまいです。動物だってイッサからみたら脅威な存在です。自分は非力で何もできないとイッサは嘆いていました。

 そんなときに、うちでの小づちの存在を知ります。

「俺、いつかは大きくなりたいんだ」
「かわいいほうがいいから、私は小人のままでいいと思うよ」
 大好きな女性はいつもイッサをかわいがっていました。
 まるでペットでした。

 イッサは全力でうちでの小づちを振りました。大きくなあれと願って――すると、イッサの体はみるみる大きくなりました。

「やったー大きくなったぞ」
 イッサの喜びとは相反して、彼女の態度は冷たくなりました。

 そして、家族はイッサが大きくなったことで、困ってしまいました。




★解説
 彼女は小さいからイッサをかわいがっていたのです。大きければただの人。ただの人に興味はありません。

 イッサの家族は、小さいままでいてほしかったと嘆きました。食費は以前はほとんどかかりませんでしたが、大きくなり、その食欲は家計を圧迫したのです。

 大きくなったのはいいけれど、小さいほうがメリットがたくさんあったということです。かわいがってもらえたのも、小さかったからだし、食費もかからなかったわけだし。大きくなる時は慎重に。今ある幸せをかみしめたほうがいいこともあるのです。

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