今どこにいるの? 会いたいよ。会いに来たよ。
今どこにいるの?
大好きだった彼。
今はもういない。
会いたいよ。大好きだよ。
毎日SNSでインターネットという果てのない空間でつぶやいていた。
「今、どこにいるの?」
青空の写真と共に不特定多数の人が見ることができるサイトに送信する。
彼がこの文字を読むことができるはずないのに。
この青空を見ることができるはずもないのに。
「今、3丁目の電話ボックスにいるよ」
写真が送信された。
彼と待ち合わせしていた公園の脇にある今は誰も使っているのを見たことがない古びた電話ボックスだろう。
「今、どこにいるの?」
夕方、人気がなくなる時間に世界中のみんなが無視する文字を打ちこんでみる。誰もどうせ読んでいるわけがない。でも、今見ている星空を写真にうつしてせめて彼に届けよう。愛して愛してどうしようもなかった人だったから。
すると、また同じアカウントから書き込みがあった。
「今、海にいるよ」
彼と一緒によく海に遊びに行った夜の海の写真が送信されていた。
きっと誰かが彼のふりをして話し相手になってくれているのだろう。
彼はもうこの世にいないのだから――。
寝る前にふとスマホに入力する。
「今、どこにいるの?」
「今、君の家の前だよ」
うちの写真だ。
怖くなった私はそのままベッドで寝ようとする。すると、スマホの音が鳴る。
「今、部屋の前にいるよ」
スマホがチリンと鳴る。書き込まれた合図だろう。
「今、君の部屋にいるよ」
「どうして? あなたは海で溺れて死んだよね」
涙目になる。
「そうだよ。君に、あの電話ボックスで呼び出された俺は君に海に突き落とされて死んだんだ。でも、証拠不十分で君は逮捕されていない」
「ごめんなさい。あれは、違うの。あなたのことが好きすぎて、自分の物にしたかったの。間違えてあなたを突き落としてしまっただけなの!!!」
「嘘だな。この世の者がおまえの罪に罰を与えないならば、あの世の俺が与えるしかない」
その瞬間、私はあの時、突き落とした海の淵に立たされていた。
「じゃあ、同じ苦しみを味わってもらおうか」
冷たい海に突き落とされた。溺死は一番辛いと言われる。苦しい、意識がなくなる――。
それから、なぜか今日が終わらなくなってしまった。つまり、明日に行けなくなってしまったのだ。
それは、今日の出来事が永遠に続くという恐怖。終わりのない、終わらせることができない恐怖。
今はもういない。
会いたいよ。大好きだよ。
毎日SNSでインターネットという果てのない空間でつぶやいていた。
「今、どこにいるの?」
青空の写真と共に不特定多数の人が見ることができるサイトに送信する。
彼がこの文字を読むことができるはずないのに。
この青空を見ることができるはずもないのに。
「今、3丁目の電話ボックスにいるよ」
写真が送信された。
彼と待ち合わせしていた公園の脇にある今は誰も使っているのを見たことがない古びた電話ボックスだろう。
「今、どこにいるの?」
夕方、人気がなくなる時間に世界中のみんなが無視する文字を打ちこんでみる。誰もどうせ読んでいるわけがない。でも、今見ている星空を写真にうつしてせめて彼に届けよう。愛して愛してどうしようもなかった人だったから。
すると、また同じアカウントから書き込みがあった。
「今、海にいるよ」
彼と一緒によく海に遊びに行った夜の海の写真が送信されていた。
きっと誰かが彼のふりをして話し相手になってくれているのだろう。
彼はもうこの世にいないのだから――。
寝る前にふとスマホに入力する。
「今、どこにいるの?」
「今、君の家の前だよ」
うちの写真だ。
怖くなった私はそのままベッドで寝ようとする。すると、スマホの音が鳴る。
「今、部屋の前にいるよ」
スマホがチリンと鳴る。書き込まれた合図だろう。
「今、君の部屋にいるよ」
「どうして? あなたは海で溺れて死んだよね」
涙目になる。
「そうだよ。君に、あの電話ボックスで呼び出された俺は君に海に突き落とされて死んだんだ。でも、証拠不十分で君は逮捕されていない」
「ごめんなさい。あれは、違うの。あなたのことが好きすぎて、自分の物にしたかったの。間違えてあなたを突き落としてしまっただけなの!!!」
「嘘だな。この世の者がおまえの罪に罰を与えないならば、あの世の俺が与えるしかない」
その瞬間、私はあの時、突き落とした海の淵に立たされていた。
「じゃあ、同じ苦しみを味わってもらおうか」
冷たい海に突き落とされた。溺死は一番辛いと言われる。苦しい、意識がなくなる――。
それから、なぜか今日が終わらなくなってしまった。つまり、明日に行けなくなってしまったのだ。
それは、今日の出来事が永遠に続くという恐怖。終わりのない、終わらせることができない恐怖。
