イケメン★ハーレム
私はあの変態を振り切って、屋上へと続く階段の一番上に腰かけた。


「あぁ…。 気持ち悪かった」


私はそう言ってため息をついた。恋も私の隣に腰かけた。


「あのさ、愛」


「なに?」


「この事、黙っておいてあげてくれる?」


と、恋が私に言った。


「別に誰にも言うつもりは無いけど…。 ていうか、言いたくないんだけど」


「それならいいんだけど。 あいつさ、学園のアイドルやってるから」


そういえば、遥が学園のアイドルって言ってたな。


「バレたらファンがうるさそうじゃん? だから、黙ってやっといてくれる?」


「…別にいいけど」


恋が、『よろしく』、と言うと、その場から去っていった。
香川淳。極度の匂いフェチで、学園のアイドルか…。


「濃いなぁ…」


ボソリと呟く。


「何が?」


「わあ! 変態!!」


そこにはさっきの変態が!
私は後ずさりして、彼からなるべく離れた。


「さっきは、ごめん」


え…?


「その、俺…暴走しちゃって」


た、たしかに。暴走してたよね。


「怖がらせちゃったみたいで、本当にごめん」


変態はそう言って頭を下げた。


「い、いいけど」


そう言うと、変態は笑った。


…可愛い。
なんて、変態相手に思いたくないんだけど!


…ん?


「あの…」


「ん?」


「これは、何してるの?」


私のうなじあたりに、瓶を当てている。
…あきらかに怪しい。


「匂い吸収!」


次の瞬間、学園の変態…じゃなかった。
学園のアイドルの前歯を折ってしまった。
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