イケメン★ハーレム
「…恋?」


目の前には、恋の姿があった。
恋は、片手で先輩の拳を受け止めている。


「先輩、うちの妹に手をあげるなら、俺を通してからにしてもらえますか」


と、恋が言うと、先輩は舌打ちしたそうな顔をしていた。


「あの三人にバレたらマズいでしょ? 相手にされないどころか無視ですよ、無視。 今回はまだ黙っておきます。 でも次はあの三人、プラス俺で何するか分かりませんよ」
「わ、分かったわよ。 だから離して!」


恋は先輩の拳を手から放すと、三人はバタバタと出て行った。
三人の足跡が聞こえなくなる。


「愛、大丈夫?」


私は恋の腕の部分のシャツをつまんで、小さく震えていた。


「だ、大丈夫…」


「全然大丈夫じゃなさそうだけど」


そこは知らない振りをしてほしい。


「ちょっと、ちょっと…怖かっただけ」


「大丈夫。 あの人達は、あの三人に嫌われるのが一番怖いはずだから。 もう何もしてこないはずだよ」


「ほんと?」


「まあ、名前を特定できないイヤガラセとかはあるかもね? 不幸の手紙とか」


「こ、怖い事言わないでよー!」


「大丈夫だよ。 その時は俺も、あの三人もついてるでしょ?」


「…うん」


「ホラ、早く出よう。 他の子に見つかったら、俺が変態扱いされちゃうよ」


あ、そういえば、ここ…女子トイレだっけ。
< 40 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop