イケメン★ハーレム
そういえば、変態はどこ行ったのかな…。


「はい、どうぞ。 お姫様」


私の後ろでそう言ったのは変態だった。


「ありがとう。 でも、クサいよ」


「いいじゃん、今だけ」


私はその言葉に甘えて、馬の上に乗るのを手伝ってもらった。
そして何故か、一緒に乗る変態。


「あー! 淳先輩、ズルイですよー!」


スタートの合図がなり、沢尻くんはしぶしぶひっこんだ。


「なんで一緒に乗るの?」


「え? さっき言いかけた事を、聞こうかと思って」


私は黙ってしまった。


そして、メリーゴラーンドが一周する頃、先に変態が口を開いた。


「言いたくないなら、いいけど」


「え?」


「俺…っていうか、俺たちも秘密があるわけだし。 主井さんもあって当然だしね」


秘密って…変態だって事?


「でも、私だけ秘密なんて、フェアじゃないって思わない?」


「まあ、確かにね。 でも、言いたくない事を無理に問いただす気は無いよ」


そっか…。
私はホッと、胸をなでおろした。


「ただ、さっき…聞いてほしそうな顔をしてたような気がしたから」


私はその言葉にドキッとした。


「俺の気のせいかな」


「…あのさ」


「ん?」


「いつか、話すから」


「うん、待ってる」


「たいした事じゃ、ないかもしれないけど」


「うん、全然良いよ」


いつか、いつか…絶対話す。
そう思った。


もしかしたら、三人に嫌われるかもしれない。


それでも…“私”を知ってほしい。
そう思うのは…どうしてかな?
< 51 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop