Before Dawn.
階段を上がると少しだけ開けた場所があり、慎の言う通り、そこには既に幹部が全員集まっていた。
下を見ると他の仲間も集まっているようだった。
各々好きな場所に座って好きな事をして。
「あーもう!やっと来た!」
「ごめんごめん」
この中には似合わない可愛らしい風貌の橘 由良が私を見つけた瞬間飛びかかってきた。
「由良、俺居るからなー」
「げ、慎之介。居たのかよ」
この可愛い見た目によく騙される人が多いが実はヤクザの1人息子で、次期若頭で…だなんてなかなか誰も思わないだろう。
橘組の組長とは前総長の代からの知り合いで、由良を1人前に育ててほしいと頼まれたのは私だ。
故に由良の喧嘩は私が教えた。
だからなのか、由良は誰よりも私に慕ってくれていて……、というより物凄く懐かれている。
由良の宿敵は慎らしい。
「…────で、まぁその辺は特に問題は無いって事だな」
私を中心にして始まる集会で得た近況報告。
ほとんどは依織が話すんだけれども。
「私から1つだけ」
私がそう一言言うと今まで依織に向けられていた視線が私に集まった。