海姫物語
「本当に言ってるのか? ここは透明島だぞ? 研究内容がバレたらどうなるかわからない」
「そうだけど、でもお父さんたちは人の手助けをしてるんだよ?」
「本当にそう思うか?」
エリクが真剣な表情でそう言い、顔を上に向けた。
それと同時に鼻の穴が見えた。
中は真っ黒で奥の方でうごめいている蛇腹状のものが見える。
咄嗟に姫奈は目をそらせた。
あれと同じものが姫奈の鼻の中にもある。
「俺も姫奈も海中で1時間は息を止めていられる。いや、正確にはエラ呼吸ができる。これが普通の研究だと思うか?」
エリクが顔を正面に向けて姫奈の両肩を強くつかんだ。
ふたりが事故にあったその後、ふたりは生死を彷徨った。
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