海姫物語
浜辺に近い岩に身を隠しながら花火を見ていたら、ひとりの男が近づいてきていることに気が付かなかった。
男は姫奈が隠れている岩の上に座り、ポケットから何かを取り出して口に加えた。
あれは……タバコ?
タバコを見るのも初めての経験だった。
テレビなどでその存在は知っていたけれど、施設内でそれを吸っている人はいない。
男が口から吐き出したケムリはすぐに暗闇の溶けて見えなくなったけれど、微かな匂いが姫奈の鼻をくすぐった。
それは今まで書いだことのない香りで、焼きすぎた魚とも焦げたクッキーとも違う、
強い苦味を伴う香りだった。
「うっ……」
咳き込んでしまいそうになり、咄嗟に口を手でおおう。
男は姫奈が隠れている岩の上に座り、ポケットから何かを取り出して口に加えた。
あれは……タバコ?
タバコを見るのも初めての経験だった。
テレビなどでその存在は知っていたけれど、施設内でそれを吸っている人はいない。
男が口から吐き出したケムリはすぐに暗闇の溶けて見えなくなったけれど、微かな匂いが姫奈の鼻をくすぐった。
それは今まで書いだことのない香りで、焼きすぎた魚とも焦げたクッキーとも違う、
強い苦味を伴う香りだった。
「うっ……」
咳き込んでしまいそうになり、咄嗟に口を手でおおう。