氷の法医学者と、秘密の共犯になりました
翌日の昼前、駅前の薬局併設ラウンジは、思ったより明るかった。
一階が調剤薬局で、二階がカフェになっている。
薬の飲み合わせ相談や、在宅介護用品の案内、簡単な健康相談などもここで受け付けているらしい。
病院帰りの高齢者や、付き添いの家族らしき人たちがぽつぽつ座っていて、警察が話を聞くには少し場違いにも見えた。
でも、橘さんが紛れるにはちょうどいい。
私は私服に近いジャケットで、警察手帳もすぐに出せる位置にしまっていた。
真鍋先輩は少し離れた席で新聞を広げる予定。
沢渡先生は、いつもの黒いコートに、表情だけは相変わらず氷だった。
ただ、距離が近い。
受付に向かう階段が狭かったせいで、先生が私の一歩後ろについている。
背中に気配がある。
振り返れば、すぐそこに先生の胸元があるくらいの距離。
昨日までなら、ここまで近いだけで落ち着かなかった。
今も落ち着かない。
でも、それとは別に、なぜか自然でもある。
「今井」
後ろから短く呼ばれた。
「はい」
「階段で立ち止まるな。後続が詰まる」
「すみません」
自然だと思った直後にこれだ。
一階が調剤薬局で、二階がカフェになっている。
薬の飲み合わせ相談や、在宅介護用品の案内、簡単な健康相談などもここで受け付けているらしい。
病院帰りの高齢者や、付き添いの家族らしき人たちがぽつぽつ座っていて、警察が話を聞くには少し場違いにも見えた。
でも、橘さんが紛れるにはちょうどいい。
私は私服に近いジャケットで、警察手帳もすぐに出せる位置にしまっていた。
真鍋先輩は少し離れた席で新聞を広げる予定。
沢渡先生は、いつもの黒いコートに、表情だけは相変わらず氷だった。
ただ、距離が近い。
受付に向かう階段が狭かったせいで、先生が私の一歩後ろについている。
背中に気配がある。
振り返れば、すぐそこに先生の胸元があるくらいの距離。
昨日までなら、ここまで近いだけで落ち着かなかった。
今も落ち着かない。
でも、それとは別に、なぜか自然でもある。
「今井」
後ろから短く呼ばれた。
「はい」
「階段で立ち止まるな。後続が詰まる」
「すみません」
自然だと思った直後にこれだ。