シークレットボーイズ

                   何でもない何処にでもあるビルの路地裏の暗闇の向こうでは赤いパトランプがいくつも光っている。

「ジュジュ、帰るぞ」

一緒に仕事していたヒツギに呼ばれて顔についた返り血を手の甲で拭い取って振り向いた。

「春なのに寒い!」

ヒツギの後ろを着いて行きながら警察に見つかる前にその場を離れる時ちらっと後ろを見たら、さっき俺達がこてんぱんにしてきた敵のマフィアが担架で運ばれて行く姿が見えた。

“そう言う家生まれ”だから仕方ないのは分かってるし、今更逃げようとも思ってない。だけど、こんな仕事、いつまで続けたら良いんだろうか?

「ジュジュ、どうした?」

「……俺たちの明日っていつも真っ赤だねぇ」

「どう言う意味だ?」

「…何でもないよ〜ん♪」…


                …「また来た…」

毎日夕方5時ちょうど。

自分もアクセサリーを手作りするのが趣味と言う理由で、学校終わりの1時間だけママの友達が経営してる小さなハンドメイドのアクセサリーショップでバイトしてると、必ずこの時間になると現れる二つ結びの女の子。多分中学生くらいだと思う。

「スマイル、くださいな」

ここはどっかのジャンクフード店じゃないんですけど…。

「申し訳ありませんお客様。只今当店ではスマイル0円の営業は行われておりませんのでご理解の程宜しくお願いします」

「えぇっそうなんですか!?…なぁんだ、残念…」

残念じゃねぇよ、こちとら学校の宿題だ殺し屋の仕事だなんだで、ただでさえへとへとに疲れてからバイト入ってんだから毎日毎日無償で無駄に笑顔振り撒いてられっかってんだ。注文ないならさっさと帰れよクソガキ。

「じゃあどうしよっかな…」

寂しそうに店内を見て歩いている名前も知らない小娘を笑顔の仮面の下で冷ややかな気持ちで見ていると「じゃあ単品で野菜ジュース下さい!」とその子は顔をあげて言ってきた。

「かしこまりました。170円になりまーす…って、だからこの店はそういう店じゃありませーん!」

「はい、170円」

「ありがとうございます。ではただいまご用意いたしますので少々お待ちくだ……だからぁ!!違うっつの!!」

「シィちゃん(※ジュジュのバイト中のあだ名)、お店で叫ばないの!」

「ご、ごめんなさい!」

畜生っ、小娘のせいで怒られた!!マジ最悪っ!!
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