麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜


「ん。美味しい」




「.....少し落ち着いた?」



「えぇ。ありがとう。.....ローネルはどうしてるかしら?」




「いや、部屋に戻ってからは知らないな。まぁ、もうすぐ朝食だから、その時呼びに行こう。俺は、モモネリアと二人の方がありがたいが」




「またそんなこと言って」




「わかってる。ちゃんと呼びに行くよ」





 誤魔化すように、モモネリアの額にキスが落とされる。




 再び、紅茶に口をつけながら、モモネリアは、ふと心の中がグラグラ揺れる感覚がした。
 





 ........こんなに幸せでいいのかしら。







 時折、この幸せがこわくなることはあったが、今日は、特に不安が増しているように思う。




 何だか、妙な胸騒ぎがするのだ。






「......どうした?」




「え?」



「.....いや、何か考え込んでいなかったか?」




「........いえ、何でもないの。......お腹が空いたなって思っただけ」




「そうか?じゃぁ、そろそろ用意して、ローネルを呼びに行くか」



「......えぇ」




 モモネリアは、得体の知れない何かに気付かぬフリをして、朝食に向かったーー。









< 124 / 184 >

この作品をシェア

pagetop