麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
「ん。美味しい」
「.....少し落ち着いた?」
「えぇ。ありがとう。.....ローネルはどうしてるかしら?」
「いや、部屋に戻ってからは知らないな。まぁ、もうすぐ朝食だから、その時呼びに行こう。俺は、モモネリアと二人の方がありがたいが」
「またそんなこと言って」
「わかってる。ちゃんと呼びに行くよ」
誤魔化すように、モモネリアの額にキスが落とされる。
再び、紅茶に口をつけながら、モモネリアは、ふと心の中がグラグラ揺れる感覚がした。
........こんなに幸せでいいのかしら。
時折、この幸せがこわくなることはあったが、今日は、特に不安が増しているように思う。
何だか、妙な胸騒ぎがするのだ。
「......どうした?」
「え?」
「.....いや、何か考え込んでいなかったか?」
「........いえ、何でもないの。......お腹が空いたなって思っただけ」
「そうか?じゃぁ、そろそろ用意して、ローネルを呼びに行くか」
「......えぇ」
モモネリアは、得体の知れない何かに気付かぬフリをして、朝食に向かったーー。