ハウスクリーニング山代には休みが無い

#7・爽太に恋して

 朝の学校の教室のベランダでいつも通りとわなつの里と一緒に牛乳を飲んでいたら手鏡片手に浮かない表情の小松さんが俺の隣にやって来た。

「この前同じ部の子にファ・ユイリィに似てるって言われたの。でも私はアイナ・サハリンに似てる方だと思うのよね」

思わず牛乳をブッと吹いてしまった。

「山代くんはどっちだと思う?」

「どっちって、俺ガンダム詳しくねぇから誰が誰なんだか分かんない」

嘘だ。爽太から散々聞かされてるから知ってたけどガンオタだと勘違いされたくなくて知らないフリをした。ごめん小松さん。あと俺は小松さんはフラウ・ボゥだと思います。

「そういえば加賀くん大丈夫?」

「えっ?」

「ずっと困ってるみたいよ」

ほらあれ、と、小松さんが自分の席でガンプラを使っている爽太を指差した。

「なぁ良いだろ?あたしあんたに惚れちまったんだよ。あんたがしてほしい事みんなやってやるからあたしと付き合いなよぉ♡」

衆目監視、白昼堂々、キャラ・スーンがシャツからはみ出たデカパイを爽太の頭に押し付けて誘惑していた。

恋愛に奥手な爽太は喜ぶどころかガンプラの作り方の説明書とニッパーを握りしめたまま怖がってブルブル震えている。

「誰だ、あのケバい奴?」

「3組の桶川さんよ。さっきちらっと聞こえた話しだと、この前自分のリコーダーを嫌がらずに山代くんに貸したとこに漢を感じて惚れたとか言ってたわ」

真の漢は嫌がらず爽太のリコーダーを使った俺の方だろが。

「キミ、3組の桶川氏だね?派手な化粧や服装の乱れは校則違反だから今すぐ直したまえ!」

長沼の奴、パッと見おとなしそうなのに意外と勇気あるよな。拍手だ、拍手。
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