野いちご源氏物語 四九 宿木(やどりき)
女(おんな)二(に)の宮(みや)様が十四歳になられた年、裳着(もぎ)の儀式(ぎしき)が行われることになった。
母(はは)女御(にょうご)様はかかりきりでご準備をなさる。
ふつうよりも立派な儀式にしたいと、代々伝わってきた家宝もお出しになる。
だけれど、そのご準備の途中で女御様は妖怪(ようかい)に憑(と)りつかれ、あっけなくお亡くなりになってしまった。

帝(みかど)は惜(お)しい人を亡くしたとお嘆(なげ)きになる。
情け深くてお優しい方だったから、貴族たちも心に穴が開いたように思い、下級女官(にょかん)まで悲しんでいたわ。
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