ワンルーム、きみと小さな海をみる
「もうひっくり返んなよ」
……って、あれ?
ヒトはアカテさんを日陰になっている岩の近くに下ろした。
そそくさと去っていくカニの後ろ姿を見つめるその目は、やさしくて、それなのになぜか仄暗さを含んでいるようにみえて。
だからわたしは人魚の禁忌を破ってまで、あなたに声をかけた。
いかなる場合でもヒトに助けを求めてはいけない。
また、決して人魚の存在を知られてはならない。
「たすけてください」
────あなたのことがもっと知りたい。