『愛をください』─ 叶わぬ想い ─
75 ◇その後


正義と満島まほりが何となく付き合い始め、4年目に大きな節目を迎えた
わけだが、その後正義が由香と離婚することはなく年月(としつき)は過ぎていった。

まほりは婚活でいろいろあり過ぎたのと、4年目にしてはじめて正義と深い仲に
なったこともあり、結婚相談所は退会してしまった。

だからといって、婚活をやめたわけではなかったけれど、どうもその後も
友人の紹介やアプリなどを使って結婚相手を探したけれど、ぱっとしなかった。

蒼馬正義という人間は、きちんと線引きできる人のようで、あのあとも
深い関係が続いているのかといえば、そうではなかった。

自分たちは、前のただのデートしたり、会話するだけの関係に戻っていた。

世間でいうところの立場で言うなら、自分は蒼馬の不倫相手ということになろう。

けれど、彼はまったく性については淡泊だった。

自分に身体的魅力が足りていないのかもしれない、そんな風にも
考えたり……。


きっとあれから家に戻った奥さんと蒼馬は仲良く過ごしていて、夫婦生活のほうも上手く
いっているのかもしれない。

だから、自分に対してそっち方面で執着してくることがないのだと考えてみたり……。

とにかく、今までの蒼馬の様子を見ている限りにおいて、彼との結婚なんて、期待して
夢見ても詮無いということは、重々承知している。



けれども、人の心は時として予想外に変わることがある──ということを
自分は4年前のことで身をもって知った……そう知っている。

このまま婚活も続けながら、蒼馬との付き合いもやめない、そう決めていた。

そして、もう特別なことはしないと決めている。

努力はするけれど、自分の気持ちを曲げたり、痛めたりするような方向での
努力はもうしたくない。

ただ、1つだけ決めていることがある。
条件だけで結婚はしないと……。

好きになれた男性(ひと)と結婚することを目標にしている。
今のところは……。

先のことまでは、分からない。
           
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