MR(医薬情報担当者)だって恋します!
「昨日は鈴木さんには嫌な思いをさせちゃったわね」
と夏目さんが謝る。
「いえ、大丈夫です。ボディタッチは嫌でしたけど」
「そうよね。酔うと触ってくるドクターいるからね。ところで、鈴木君とは何もなかったの?」
「はい? ……ありませんけど」
「そうなの? 残念。ちょっと期待してたんだけどなあ」
「何をですか? 鈴木には彼女いますし」
「そうなの? 残念! ドクターに恋するよりよっぽどいいと思ったんだけど」
と夏目さんが耳打ちしてくる。
意外に夏目さんは恋バナが好きなのだろうか?
「夏目さんこそどうなんですか? お綺麗だし、素敵な恋愛されてそう」
私の言葉に夏目さんの顔が一瞬曇ったように見えた。
「ああ、私はね、モテないし男運もないのよ」
夏目さんはごまかすように笑って言った。
「そう、ですか」
夏目さんがモテないわけないんだけどな。たぶん踏み込まれたくないからそう言ったのだろう。