引っ越し~意味が分かると怖い話~
引っ越し
五月に家族で一軒家に引っ越した。昔からボロボロのアパートだったので喜んだ。だが私の家庭はそこまで裕福ではなかったので不思議だとも思った。
しかし地元の神主さんが家にやって来た際に説明された。どうやら事故物件らしく十年前に殺人鬼の男がこの家で自害したらしい。なんとも胸糞悪い話だ。だがそのおかげで父は格安で広い家を手に入れることができた訳だ。
神主は家を回ると四つの忠告をした。
・殺人鬼の霊や悪夢を見たなら神主に相談すること。
・廊下で足音、または扉や壁を叩く音が聞こえても相談すること。
・独断で線香や御札を貼らないこと。
・これらを含めた異常な現象を一ヵ月以上放置しないこと。
これらを破ると霊が家族に憑りつき引っ越しても意味がなくなってしまう。運気を失い悲惨なことになる。
最初。家族はその忠告を深刻に受け取った。
だが六月に入っても神主の言っていた異常は起こらなかった。むしろ快適で私はベッドでゴロゴロしながらスマホを見ていた。初旬から梅雨に入り、激しい雨音が窓を打ち鳴らしていた。最初は忌々しかったが今ではそんな環境でさえもう慣れてしまった。
そんな時節。母が買い物から帰って来た。手伝おうと玄関まで迎えに行くと母は少々落ち込んだように立っていた。どうかしたのか。と聞くと母は訥々と語った。
スーパーで買い物を済ませた母は自転車かごに荷物を置いて帰ろうとしたが、買い忘れをふと思い出して財布片手にスーパーに戻った。だが帰って来ると今度は自転車ごと無くなっていたらしい。母は交番まで歩いて相談して、そのまま一旦帰って来た。
財布と品はポケットに入れているため手ぶらだ。その姿が余計虚しく見える。
きっと捕まるよ。と母の肩に触れて慰めるが、母の乾いた服の下は汗だくだった。
――悲惨なことになる。
神主の話が頭に過って、私は不吉な兆候を感じた。
私は自分の部屋に戻ると、嫌な気持ちを取り払うつもりでベッドで横になる。
目を閉じた。
その間も絶えず雨は窓を叩いていた。そろそろ七月だが夏休みが待ち遠しい。
しかし地元の神主さんが家にやって来た際に説明された。どうやら事故物件らしく十年前に殺人鬼の男がこの家で自害したらしい。なんとも胸糞悪い話だ。だがそのおかげで父は格安で広い家を手に入れることができた訳だ。
神主は家を回ると四つの忠告をした。
・殺人鬼の霊や悪夢を見たなら神主に相談すること。
・廊下で足音、または扉や壁を叩く音が聞こえても相談すること。
・独断で線香や御札を貼らないこと。
・これらを含めた異常な現象を一ヵ月以上放置しないこと。
これらを破ると霊が家族に憑りつき引っ越しても意味がなくなってしまう。運気を失い悲惨なことになる。
最初。家族はその忠告を深刻に受け取った。
だが六月に入っても神主の言っていた異常は起こらなかった。むしろ快適で私はベッドでゴロゴロしながらスマホを見ていた。初旬から梅雨に入り、激しい雨音が窓を打ち鳴らしていた。最初は忌々しかったが今ではそんな環境でさえもう慣れてしまった。
そんな時節。母が買い物から帰って来た。手伝おうと玄関まで迎えに行くと母は少々落ち込んだように立っていた。どうかしたのか。と聞くと母は訥々と語った。
スーパーで買い物を済ませた母は自転車かごに荷物を置いて帰ろうとしたが、買い忘れをふと思い出して財布片手にスーパーに戻った。だが帰って来ると今度は自転車ごと無くなっていたらしい。母は交番まで歩いて相談して、そのまま一旦帰って来た。
財布と品はポケットに入れているため手ぶらだ。その姿が余計虚しく見える。
きっと捕まるよ。と母の肩に触れて慰めるが、母の乾いた服の下は汗だくだった。
――悲惨なことになる。
神主の話が頭に過って、私は不吉な兆候を感じた。
私は自分の部屋に戻ると、嫌な気持ちを取り払うつもりでベッドで横になる。
目を閉じた。
その間も絶えず雨は窓を叩いていた。そろそろ七月だが夏休みが待ち遠しい。
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