腹黒王子の愛は、激甘でした。
7話 王子様の素顔
校庭の噴水前に立つ東条先輩を見つけ、思わず駆け寄る。
「はぁっ…はぁっ…東条先輩!少しお時間よろしいですか?」
東条先輩は息を切らしている私に驚いている様子だった。
「あの!彼女役の件なんですけど…ちゃんと断らないとって思って!」
私の言葉に東条先輩はため息をついた。
「だから却下って言ってるでしょ?
大体、あの時君が生徒会室に入らなければこうはならなかったんだから。」
まるで自業自得だと言うような東条先輩にムッとしてしまう。
(たしかに入ったのは私だけど…!)
「でも…!それとこれとは話が違うじゃないですか!彼女役なんかしなくたってちゃんと秘密守れます!」
「なんでそんなに彼女役を嫌がるの?他の女子だったらきっとキャーキャー言って喜ぶのに。」
東条先輩はめんどくさそうに言った。
「みんな結局は優しい王子様が好きなんだから。」
そう言って笑った東条先輩の笑顔には疲れと悲しさが見え隠れしている気がした。
(そういう意味で言った訳じゃなかったのに…)
少し重くなった空気に沈黙が流れる。
「私…たしかに東条先輩に憧れてました。
でもそれは東条先輩の外見だけじゃなくて、優しい性格があったからです。」
私の言葉に東条先輩は皮肉そうに笑う。
「その性格さえも作り物だと言ったら?」
「だとしても、憧れている事に変わりはありません。
誰にでも優しくすることは簡単にはできないから。」
東条先輩は驚いた顔をしている。
「だからもし東条先輩の性格が、笑顔が作り物だったとしても私の気持ちが変わったりしません。」
これは私の本当の気持ち。
突然彼女役をやれだとか、俺様な事ばっかり言われてムッとする事も当然ある。
けど、あまりに切なそうな東条先輩の笑顔に私は素直にそう思った。
私の言葉に東条先輩は俯いてしまった。
「何も知らないのに、勝手なこと言ってすみませんでした。」
(東条先輩の事傷つけちゃったかな…?)
私はこれ以上は何も言わない方がいいと思い来た道を引き返そうとした時、
「もし僕が冷酷で腹黒な最低な人間だと言ったら…」
東条先輩の声に振り向く。
「それでも…変わらずにいてくれる?」
いつもの東条先輩とは思えない自信なさげな、小さな子供のような弱々しい声に、
「もちろんです!!」
と笑顔ではっきりと返した。
そんな私の声に東条先輩は柔らかく、嬉しそうに微笑んだ。
「あっ!じゃあ私はこれで!お時間ありがとうございました!」
私は明日華を待たせていることに気づき、急いで駆け出した。
走りながらさっきの東条先輩の笑顔を思い出す。
(いつもの完璧な笑顔とは違う、生徒会長でもなんでもない、ただ1人の男の子としての無邪気な笑顔だった。)
今日、ほんの少しだけ東条先輩の心に触れられた気がした。
「はぁっ…はぁっ…東条先輩!少しお時間よろしいですか?」
東条先輩は息を切らしている私に驚いている様子だった。
「あの!彼女役の件なんですけど…ちゃんと断らないとって思って!」
私の言葉に東条先輩はため息をついた。
「だから却下って言ってるでしょ?
大体、あの時君が生徒会室に入らなければこうはならなかったんだから。」
まるで自業自得だと言うような東条先輩にムッとしてしまう。
(たしかに入ったのは私だけど…!)
「でも…!それとこれとは話が違うじゃないですか!彼女役なんかしなくたってちゃんと秘密守れます!」
「なんでそんなに彼女役を嫌がるの?他の女子だったらきっとキャーキャー言って喜ぶのに。」
東条先輩はめんどくさそうに言った。
「みんな結局は優しい王子様が好きなんだから。」
そう言って笑った東条先輩の笑顔には疲れと悲しさが見え隠れしている気がした。
(そういう意味で言った訳じゃなかったのに…)
少し重くなった空気に沈黙が流れる。
「私…たしかに東条先輩に憧れてました。
でもそれは東条先輩の外見だけじゃなくて、優しい性格があったからです。」
私の言葉に東条先輩は皮肉そうに笑う。
「その性格さえも作り物だと言ったら?」
「だとしても、憧れている事に変わりはありません。
誰にでも優しくすることは簡単にはできないから。」
東条先輩は驚いた顔をしている。
「だからもし東条先輩の性格が、笑顔が作り物だったとしても私の気持ちが変わったりしません。」
これは私の本当の気持ち。
突然彼女役をやれだとか、俺様な事ばっかり言われてムッとする事も当然ある。
けど、あまりに切なそうな東条先輩の笑顔に私は素直にそう思った。
私の言葉に東条先輩は俯いてしまった。
「何も知らないのに、勝手なこと言ってすみませんでした。」
(東条先輩の事傷つけちゃったかな…?)
私はこれ以上は何も言わない方がいいと思い来た道を引き返そうとした時、
「もし僕が冷酷で腹黒な最低な人間だと言ったら…」
東条先輩の声に振り向く。
「それでも…変わらずにいてくれる?」
いつもの東条先輩とは思えない自信なさげな、小さな子供のような弱々しい声に、
「もちろんです!!」
と笑顔ではっきりと返した。
そんな私の声に東条先輩は柔らかく、嬉しそうに微笑んだ。
「あっ!じゃあ私はこれで!お時間ありがとうございました!」
私は明日華を待たせていることに気づき、急いで駆け出した。
走りながらさっきの東条先輩の笑顔を思い出す。
(いつもの完璧な笑顔とは違う、生徒会長でもなんでもない、ただ1人の男の子としての無邪気な笑顔だった。)
今日、ほんの少しだけ東条先輩の心に触れられた気がした。