受付嬢なのに、清掃員から一途に溺愛されています ~タワマン最上階で猫と過ごす、秘密の恋~
  「気が進まなかった。
   でも、さすがに断れなくて」

 マルが、私たちの間を通り抜ける。

 「もし両親を連れて行く流れになったら、
  そのまま勝手に話が進んでしまう気がして……
  それが、嫌だった」

 だから、と西条は言う。

 「仕方なく課長に同席してもらって、
  それでも、落ち着かなくて」

 そこで、私を見る。
 まっすぐで、逃げ場のない視線。

 「真菜さんが一緒に来てくれたら、
  ……ちゃんと、自分でいられる気がした」

 頭が、追いつかない。

 「え……?」

 思わず、声が漏れる。

 「あの話、断ったんですか?」

 「断った」

 即答だった。
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