放置され令嬢と無口な氷の侯爵&雪だるま。『す』の続きが言えるまで

秘密(クローヴィス視点)

クローヴィスが再びバルコニーに出て窓を閉める。
月に照らされた人がいる。雪と氷河のような淡い色の男性。

「クローヴィス、スカイウォラをありがとうね。というかフィーネに丸投げしたけどね」
「ああ」
「まぁ、フィーネは善人だから参考にはならないかもしれないけど、人を守るってどういう事かわかったろう」
「……そうかもな」
「クローヴィス」

男性は真顔でクローヴィスに言い放つ。

「そのコミュ力で本当にこの先、大丈夫?」
「どこで覚えた、そんな単語」

クローヴィスの質問に愉快そうに笑う男性。

「フィーネにもまた秘密が増えちゃってごめんね」
「俺が呼び出した精霊ということになっている。まぁ精霊は精霊だろう?」
「そうね。いずれあの子は王になるけどね」
「あれは相当な女たらしなるぞ」

スカイウォラ、将来は精霊王になる大事な存在だ。生まれてから百日間、人間に預けて交流をする。その時の経験は今後の性格に大きく影響する。人間好きになるか人間嫌いになるか、百日間の人間の行い次第になる。

「何? 密かに嫉妬?」

クローヴィスは現精霊王から顔を背ける。

「じゃあ僕は帰るからね。スカイウォラとの約束を守ってフィーネと仲良くね」

そう言ってクローヴィスの返事を待たずに精霊王は消える。
明日取りに来れば良いと書類の山を置いてクローヴィスも移転した。
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