放置され令嬢と無口な氷の侯爵&雪だるま。『す』の続きが言えるまで

婚約破棄を目指すのよ

(もっとクールに接しないといけないのに)

雪だるまの瞳がクローヴィスの色と同じだなと思いながら雪だるまの鼻を指で弾く。
思えばこの三年間、寂しい思いしかしていない。

(私はあの人に好かれてないのね)

フィーネも正直、クローヴィスに好意は寄せていない。どちらかと言えば、放置されてマイナスからのスタートだ。

(婚約破棄を目指すのよ)

聞けばあちらは勝手に条件だけでフィーネを選んだのだ、そこに愛情も義理も約束事もない。これが貴族の結婚というものだと言われればその通りなのだろうけど、不当な扱いに納得いかない。

クローヴィスは戦争で大層な武勲を立てていて、嫁げばお金には不自由することなく暮らせるだろう。

(だけどね。それだけじゃ幸せにはなれないわ)

この三年でフィーネの恋心は、重く氷のように冷たくなってしまった。
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