転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
「これ、もとになったのは北の方にある伯爵家の領地のお話でね。その土地は、温泉がたくさん湧いているのですって」

 昔から、その温泉の熱を利用して住居の中は温かくなるように工夫されているそうだ。

(……なるほど)

 子供の物語と言えど、裏を読んでみればいろいろと面白いかもしれない。もしかして、グレイスはこういうことを教えるためにふたりのところに来たのだろうか。
 ――でも。
 身体を寄せたグレイスは、温かかった。母親とは、こういうものだと改めて実感する。
 思えば、生家の人達がどうかしていたのだ。

(……というか、日本と比べちゃいけないんだろうけど)

 日本の価値観を、この世界で引きずるのはまずいかもしれないと言うのはユリアも心のどこかでうすうすと感じている。

「なんで、辺境伯家の人々は僕達に親切にしてくれるんですか?」

 アーゲルの問いに、グレイスは頬に手を当てた。真面目に答えてくれるつもりらしい。

「そうねぇ……たぶん、あなた達をそのまま外の世界に放り出したら、きっと危ないと思ったのがその理由かしら」
「……僕は、僕と妹ぐらいなら守れる!」

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