転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 と、アーゲルは苦笑いした。ユリアはまたもや首を傾げた。もったいないことって、なにかあっただろうか。

「ほら、冒険者パーティーの人達さ。もうちょっと話を聞いてもよかったなって」
「あー、たしかにねー」

 冒険者パーティー『星を守る者』は、この辺境伯領を拠点にしている。だが、冒険者は拠点を離れて旅をすることも多い。
 彼らがふたりと出会ったのも、領の外での依頼を受けて領を離れていた時のことだった。
 彼らからなら、もっといろいろと話を聞けたかもしれない。あの頃のアーゲルは、本気であの人達に気を許していたわけではなかったから、彼らとの間にも壁を作っていた。
 それを残念だと思えるようになったのなら、やはりアーゲルは変わったのだ。

「お、ふたりともここにいたのか」
「ジョイ!」

 そんな話をしていたら、ジョイが向こう側からやってきた。手を振ってきたので、ユリアも彼に手を振り返す。
 辺境伯家のご子息なのだから「ジョイラージュ様」と呼ぶべきなのではないかとたずねたこともあったけれど、本人も辺境伯夫妻も変えなくていいと言われたのでお言葉に甘えてしまっている。
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