転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 このまま堅実に訓練を重ねて大人になったら、どれだけ強くなるのだろう。と思いつつも、サールドを見るユリアの目は冷めていた。

(……親の期待、ね)

 まあ、このまま見ていても意味がない。そろそろ自分の仕事に戻ろうか。
 遅くても明日には、読み方は完璧にしておきたい。
 語彙が少ないから理解できないところも多いかもしれないが、いつか、役に立つと信じて詰め込めるだけの知識を詰めておくのだ。
 今は内容を理解できず、記号として覚えている文字も、いずれはちゃんと読めるようになる。
 昼食のあとも共に図書室で過ごすと思っていたら、アーゲルはこっそり屋敷の外に出ていくのだという。そう言えば、時々姿が見えなかったな、と記憶を引っ張り出す。

「どこに行くの?」
「ちょっとお小遣い稼ぎ。あと、おやつも買いたいしね」
「あたしも一緒に行ったら駄目?」
「うーん、ユリアは来ない方がいいかなぁ……ユリアの足だとちょっと遠いんだよね」

 アーゲルは屋敷の塀にこっそり通り道を作って、そこから出入りしているそうだ。
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