転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
「帰ったら、ラーヴァル様に聞いてほしいことがある」

 何を話しても女性には気づかれないだろうと思うところまで離れてから、アーゲルはジョイにささやいた。

「ん? 父上も、お前の話ならいつだって聞くだろう」
「ジョイにも聞いてもらいたいんだよね」
「わかった。それなら、母上もいた方がいいんだろうな」

 ジョイがこういう時は信頼できる。いつの間にか、辺境伯家の人々を信頼していることにアーゲルは気が付いていた。
 

 ◇ ◇ ◇

 

 ジョイが、辺境伯家の人々を一室に集めたのは、ユリアが怪しげな女性と顔を合わせてから一週間ほどが経過した日のことだった。
 午前中、携帯スープの工場の様子を見に行っていたアーゲルは、ジョイと一緒に戻ってきた。

(……なにかあったのかな)

 前世も合わせれば二十年以上、アーゲルの妹をやってきたのだ。
 心の内を見せないようにしていたとしても、なにか問題が発生したのであろうことがユリアにはわかってしまう。
 昼食後、辺境伯家の人々は執務室に集まった。人払いをして、執事さえも部屋の外に出してしまう。

< 232 / 270 >

この作品をシェア

pagetop