転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 クヴァールは地図を睨みつけ、地形を頭に叩き込んでいるようだ。彼の偵察で、ユリア達の行動が決まる。

「……じゃあ、行ってくる」

 ジョイは街にパンを買いに行くぐらいの気安さで、辺境伯夫妻に向かって手を上げた。

「気を付けるのよ。あなたはともかく、子供達もいるんですからね」
「アーゲル。いざとなったら、お前達だけは転移でここに戻ってこい」

 ラーヴァルは、アーゲルの肩に両手を置き、かがんで目の高さを合わせて言った。

「……僕達だけ?」

 アーゲルがとまどった顔になる。彼の目をのぞき込んだまま、ラーヴァルはうなずいた。

「そうだ」
「でも、僕達……僕の我がままで行くのに」
「冒険者は、自分の行動の責任は自分で取るんだよ。なあ、ジョイ」
「そういうこと。それに、そこまでにはならないさ。知り合いにも声をかけているし」

 ジョイの言葉に、ユリアは目を伏せた。
 そうだ、伯爵家の領地を助けに行きたいというのは、アーゲルやユリアの我がままだ。だって、この領地に魔物が確実に押し寄せるわけではない。

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