転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 いくら冒険者と言えど、見たことのない魔物もある。そして、魔物に対応する知識があるのとないのとでは大きな違いが出てくる。
 魔術師達の魔術で一瞬は魔物が足を止めるが、次から次へと押し寄せてくる魔物はそれだけでは押しとどめられない。

「って言うか、お前無詠唱かよ!」
「魔力量おかしいだろ!」

 呪文を口にすることなく、次々に魔術を放つアーゲルに周囲の魔術師達が驚いたような目を向ける。

「落とし穴があればいいねえ」
「落とし穴?」

 ふと、ユリアが口にしてアーゲルは数度瞬きをした。
 それから、ポン、と手を打ち合わせる。

「……僕に任せて!」

 アーゲルがかけた時間は数十秒。その数十秒で、事態は一気に動いた。
 中央にいた魔物達が、一気に姿を消す。そして、走ってきた魔物達も姿を消した。
 大きな穴が、アーゲルによって開けられたのだ。穴に落ちず走ってきた魔物達は、手前に控えていた冒険者達にとって打ち取られた。

「えげつないな!」
「まだまだ!」

 さらに、その上から巨大な岩が次々に落下する。その岩がもう一つの防壁となり、魔物達の進行を阻む。

< 258 / 270 >

この作品をシェア

pagetop