転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 伯爵家がどうなろうが知ったことではないし、このままここで暮らしていけるというのならば、これ以上の結末はない。

「お話は終わり?」
「ああ」

 ユリアの言葉に、ラーヴァルは頷く。ぴょんとアーゲルはソファから飛び降りた。

「それなら、僕達工場に行ってくる。今日は、ダーンが来る日だから。ユリア、行こう」
「あい!」

 ユリアもアーゲルに続いてソファから飛び降り、しっかりと手を繋ぐ。

「待て待て、俺も行くから」
「ジョイ、子供達をしっかり見てろよ」

 慌ててジョイもふたりに続いて席を立つ。ユリアの手を引いたアーゲルは、入口のところで振り返った。

「行ってきます……父上!」
「……お母様」

 言ってしまった。とうとう言ってしまった。
 顔を見合わせたユリアとアーゲルは、真っ赤になった。

「……嬉しいわ! いつかは、そう呼んでくれたら嬉しいと思っていたけれど」

 グレイス――いや、母が立ち上がる。ラーヴァル――父も、満面の笑みを浮かべた。

「ほら、俺のことはお兄様って呼んでみろ」
「ジョイはジョイでしょ?」
「兄様って呼ぶ?」

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