転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 そう呼ばれたアーゲルは、目を瞬かせている。そうだろう、いきなりそんなこと言われても事態が理解できるはずない。
 けれど、アーゲルはみるみる目を潤ませた。

「そうだよ、ユリア! やっぱり、君は『妹』の生まれ変わりだったんだね!」
「……は?」

 アーゲルが何を言いたいのかわからなくて、ユリアは首を傾(かし)げた。生まれ変わりってなんだ、どういうことだ。

「ずっとそうじゃないかと思っていたんだ。でも、君は記憶を取り戻した様子はなかったから、きっと僕の勘違いだろうと……」

 涙をごしごしと服の袖で拭いて、アーゲルは笑った。それはもう、ぱぁっと花が咲いたかのような笑み。ユリアの知っているアーゲルとは、まったく違う笑みだ。

「会えてよかった、ユリア。僕達、ふたりとも日本から転生したみたいだ」

 日本、転生。
 知っている言葉ではあるけれど、信じられない言葉。

「……はぁ?」

 思わずユリアの口からは、そんな可愛げのない声があがったのだった。
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