転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 革の鎧(よろい)で上半身を覆っていて、目立つのは大きな弓を持っていることだ。矢筒も背中に背負っている。

「ユリア、そこまでにしておいて」

 ユリアをかばうように、アーゲルはユリアを引き寄せた。まだ、唇を尖らせながらも、ユリアはアーゲルの腕の中におとなしくおさまる。
 冒険者達の間では、獲物を横取りしないというのは鉄則だ。
 襲われているように見えても、実際はきちんと状況を見て危なげのない戦いをしていることもある。だから、「助けがいるか」と声をかけなくてはならない。

(たしかに、子供だけだけどさぁ……!)

 アーゲルの服をぎゅっと掴みながら、ユリアは頬(ほお)を膨らませた。食材の確保を邪魔されたのは許してはならない。

「そっか、君達の獲物だったか、でも、こんなところで子供達だけでどうしたんだ? 親は?」

 と、こちらに向かって歩いてきた青年が声をかける。彼の隣には、大きな盾を持った青年がもうひとり。

「……両親が死んで、祖父母のところに行くところでした」
「祖父母ってどこにいるの? 他の親戚は?」
「ソ、ソーンフィールド辺境伯領の領都にいるって聞いて」

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