転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
「いいか? 俺達が戻ってくるまでいい子にしてろよ」

 と、ジョイがユリアの頭に手を置いて言い聞かせる。

「わかった。にいちゃといい子にしてる」
「アーゲルもな。待っていてくれ」
「……わかった」

 それからジョイは、ユリアに蜂蜜飴の入った缶を渡してくれた。彼のおやつの大盤振る舞いだ。

「俺の分取っといてくれよ!」
「ジョイ、何やってるんだ。行くぞ!」

 早くも村を出たクヴァールが、ひとり残ったジョイをせかす。ジョイはもう一度ユリアの頭を撫でると、身軽な動作で彼らの後を追った。

「にいちゃ、何考えてるの?」
「何も。逃げちゃってもいいんだろうけど……きっと、面倒なことになるよね」
「あたしもそう思う」

 冒険者達は、村の住民に「子供達のことをよろしく頼む」と言い残して出かけて行った。おかげで、村の人達の目は、アーゲルとユリアに集中している。
 もし、彼らの隙をついて逃げ出したとしても、下手をしたら捜索隊を出されてしまいそうな勢いだ。そこまでされたら困るから、戻ってくるまでおとなしくしておいた方がいい。

「逃げるなら、領都に着いてからだな」
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