クロとシロと、時々ギン

シロヤギさんにまた会えた?!(7)

 萌乃は、私の話を興味深そうに聞いている。
 私は話を続けた。

「何日かして再びその場所へ遊びに行くと、私が残したメモとは違うものがあったの。なんと書かれていたのかは覚えていないけれど、私はまたそれに返事を書いて残しておいたの」
「もしかして、それで文通が始まったってことですか?」

 萌乃の問いかけに、小さく頷く。

「なんですか、それ! すごくかわいい話じゃないですか!」

 萌乃は興奮気味に目を輝かせている。私はそんな様子に苦笑いを浮かべた。

「それで? その相手とはどうなったんですか? 文通は続いたんですか? っていうか、手紙のやり取りができる距離にいるってことは、直接会うようになったとか? ねえ、明日花さん、教えてくださいよ〜」

 矢継ぎ早の質問に、私はたじろぐ。
 その一瞬の隙を突くように、それまで黙っていたシロ先輩が真剣な面持ちで問いかけてきた。

「俺、なんかその話、知ってる気がするんだけど、クロから聞いたことあったか?」
「え?」

 シロ先輩は何かを思い出そうとするように眉間にシワを寄せている。
 私も記憶を辿り、しばらく考えてようやく思い至った。

「ああ、アレですよ。シロ先輩の言葉が、私が昔言われた言葉に似てたって話した時ですよ。どこで話したんでしたっけ? えっと……ファミレス?」

 私の答えを聞いて、シロ先輩はさらに眉間に皺を寄せた。
 しばらくして、ハッとしたように目を見開き、スッキリした顔になった。

「ああ、あのマンガが好きな奴の話か!」

 納得したように何度も大きく頷くシロ先輩のことを、一瞬ポカンとした顔で見ていた白谷吟は、やがておかしそうに大声で笑い出した。
 シロ先輩が怪しげな視線を向けると、白谷吟は目尻に浮かんだ涙を指で拭いながら謝った。

「いや、ごめんごめん。君たちのやり取りがあまりにも楽しそうだからさ。あー、おかしい」

 ひとしきり笑って満足したのか、白谷吟は笑顔のまま私を見る。
 私は首を傾げる。
 私たちはそんなにおかしな話をしていただろうか。
< 104 / 147 >

この作品をシェア

pagetop