五枚目の願い〜あなたの、ノゾミあげます〜
#可愛くなりたい、と願っただけなのに
『もし、明日、理想の自分になれるとしたら——
あなたは願いますか?』
私は願う。
鏡に映る私は、誰にも選ばれない顔をしていた。
前髪の隙間、笑うタイミング、声の高さ。
クラスで一番可愛いあの子の隣に立つと、全部がはっきりしてしまう。
“可愛くなりたい”
それだけなのに、どうしてこんなに遠いのだろう。
ある日の放課後、机の引き出しを整理していて見つけた。
五枚の、真っ白な紙。
『願い事を書けば必ず叶う』
小さなメモが添えられていた。
誰の字か分からないのに、心臓の奥がきゅっと鳴った。
どうせ嘘。
そう思いながら、私は一枚目に書いた。
『可愛くなりたい』
翌朝、鏡の前で息が止まった。
肌はなめらかで、髪は光を受けて揺れている。
笑うと、守ってあげたくなる顔。
……私?
教室に入ると空気が変わった。
視線が集まり、名前を呼ばれ、席を譲られる。
後ろの席の彼が、ちらっと私を見て知らない人を見るみたいに目を逸らした。
それだけで胸が熱くなった。
嬉しい。
やっと、ここにいていいんだと思えた。
なのに、鏡を見るたび違和感があった。
目が合わない。笑っているのに奥が冷たい。
まるで私を外から見ているみたいだった。
あなたは願いますか?』
私は願う。
鏡に映る私は、誰にも選ばれない顔をしていた。
前髪の隙間、笑うタイミング、声の高さ。
クラスで一番可愛いあの子の隣に立つと、全部がはっきりしてしまう。
“可愛くなりたい”
それだけなのに、どうしてこんなに遠いのだろう。
ある日の放課後、机の引き出しを整理していて見つけた。
五枚の、真っ白な紙。
『願い事を書けば必ず叶う』
小さなメモが添えられていた。
誰の字か分からないのに、心臓の奥がきゅっと鳴った。
どうせ嘘。
そう思いながら、私は一枚目に書いた。
『可愛くなりたい』
翌朝、鏡の前で息が止まった。
肌はなめらかで、髪は光を受けて揺れている。
笑うと、守ってあげたくなる顔。
……私?
教室に入ると空気が変わった。
視線が集まり、名前を呼ばれ、席を譲られる。
後ろの席の彼が、ちらっと私を見て知らない人を見るみたいに目を逸らした。
それだけで胸が熱くなった。
嬉しい。
やっと、ここにいていいんだと思えた。
なのに、鏡を見るたび違和感があった。
目が合わない。笑っているのに奥が冷たい。
まるで私を外から見ているみたいだった。
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