アンコールはリビングで

Side B 境界線を溶かす熱

1. 鉛の身体と、震える文字の置き手紙

(……あー、マジでしんどい……)

朝5時。
目覚まし時計が鳴るよりも早く、身体の奥底から湧き上がる悪寒と、鉛のように重い関節の痛みで目を覚ました。

隣でスヤスヤと規則正しい寝息を立てる凪を起こさないよう、ゆっくりとベッドを抜け出す。

洗面所に向かい、鏡に映った自分の顔を見て、思わず低く舌打ちをした。

濃い疲労が見え隠れする顔。
そして、頬には明らかに熱を持っていると分かるような、不自然な赤みが差している。

体温計を脇に挟むまでもない。昨日からの微熱が、確実に熱度を上げているのが分かった。

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