アンコールはリビングで
控室に入り、用意されていた衣装に着替える。
カッチリとしたセットアップなどではなく、少しとろみのある、深みのあるネイビーのシルクシャツ。
袖を通した瞬間、シルクの滑らかな感触が熱を持った肌にひんやりと触れ、少しだけ心地よかった。
メイクの前に、俺は洗面台の鏡の前に立ち、両手をシンクの縁にドンッとついた。
(……やべぇな。関節がミシミシ鳴ってやがる)
鏡の中の自分を見つめる。
瞳は熱のせいで潤み、少しだけ焦点が定まっていない。
息を吐くたびに、自分の中の熱が外に漏れ出していくような感覚があった。
「……よし、いくか……」
俺は目を閉じ、深く息を吸い込んだ。
ドラマの撮影で役に入る時のように、自分の中の『素の早瀬湊』を奥底に封じ込め、表舞台で魅せる『アーティスト・早瀬湊』のスイッチを強引に押し込む。
(今日は、絶対に倒れられねぇ。……最高のもん撮って、あのリビングに帰るんだ)
目を開けると、そこには熱を帯びながらも、鋭い光を宿した男の顔があった。
カッチリとしたセットアップなどではなく、少しとろみのある、深みのあるネイビーのシルクシャツ。
袖を通した瞬間、シルクの滑らかな感触が熱を持った肌にひんやりと触れ、少しだけ心地よかった。
メイクの前に、俺は洗面台の鏡の前に立ち、両手をシンクの縁にドンッとついた。
(……やべぇな。関節がミシミシ鳴ってやがる)
鏡の中の自分を見つめる。
瞳は熱のせいで潤み、少しだけ焦点が定まっていない。
息を吐くたびに、自分の中の熱が外に漏れ出していくような感覚があった。
「……よし、いくか……」
俺は目を閉じ、深く息を吸い込んだ。
ドラマの撮影で役に入る時のように、自分の中の『素の早瀬湊』を奥底に封じ込め、表舞台で魅せる『アーティスト・早瀬湊』のスイッチを強引に押し込む。
(今日は、絶対に倒れられねぇ。……最高のもん撮って、あのリビングに帰るんだ)
目を開けると、そこには熱を帯びながらも、鋭い光を宿した男の顔があった。