アンコールはリビングで
目的の店は、オフィスビルから歩いて五分ほどの裏通りにあった。

『Osteria la Natura(オステリア・ラ・ナチュラ)』という、アイアンの看板とグリーンが目を引く、隠れ家風のおしゃれなイタリアンレストランだ。

できたばかりだというのに、もうその美味しさが知れ渡っているのだろう。

お店の前には、近隣のオフィスで働く女性たちを中心に、すでに数組の入店待ちの列ができていた。

「うわ、本当だ。すごい並んでるね」

「でしょ? これ、今から並んでたら絶対お昼休憩の間に帰ってこれなかったよ。予約しといて大正解!」

得意げに笑う理紗と一緒に、列の横をすり抜けて店内へと案内される。

これは確かに、予約の手間をかけてでも確実に入りたかったわけだ。

店内は、天井が高く開放感があり、温かみのある無垢の木材を基調とした洗練された空間だった。

私たち空間デザインを生業とする人間から見ても、居心地の良さを緻密に計算された、とても質の高い内装だ。

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