「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
消えた魔王

 ***


「ここは……?」

 気付くと私はごつごつとした岩場でうつ伏せになっていた。しかしごつごつとした岩場なのだが、何故か私の周りだけが平らにならされていて、大きな葉が体にのせられていた。

 これは寒くないように誰かが……?

 そんなわけないか。

 ゆっくりと体を起こして周りを見渡しても誰もいない。耳を澄ましてみても人間の足音は聞こえてこなかった。どうしたものかとその場で動かずじっとしていたが、二日過ぎても誰も迎えに来る様子がない。私が死んだとは思っていないだろうから、誰かが探しに来ると思っていたんだけど……。

 う~ん。

 どうしよう。

 とりあえず移動をしよう。ここでは雨風がしのげない。雨に打たれようが風邪はひかないが、気分のいいものではない。

 しかしどこに向かったら良いのかが分からない。とりあえず勘を頼りに森の中に入って行った。森に入ると大きな木の樹幹(じゅかん)に、人が入れるほどの穴が開いているのを見つけた。ひとまず私は体を休めるため、樹幹の穴に体を預けた。


 それから数刻後。

 何だろう……暖かい……日の光に包まれているような温かさ。



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