「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい

 呆れたようにレンがそう聞いてきたが、俺はこの5年の間にあったいろいろなことを思い出していた。

 一番の大きな変化は騎士団長のシドが退任したことだった。森から何度も王城に呼び出されては、王や重鎮達に文句を言われ、痩せて胃を悪くしていた。森に帰ってくるたびに青い顔をさせ、良くなった頃にまた王城に呼ばれ胃を悪くする。そんな感じだった。

 そんな団長を不憫に思い、騎士団は一致団結してジェシカ嬢を捜索したのだが見つからなかった。

 そんな日々が3年たった頃、突然騎士団長が退任した。

「すまない……」

 シドは消え入りそうな声でそう言って、森を去って行った。

 そんな騎士団長の後を任されたのが、勇者である俺だった。南辺境伯領の村で生まれた俺は、ジュウドと言う名前はあるが姓は無い。その為、騎士団長に就任したついでに姓をもらい、騎士爵もいただいた。騎士爵は一代限りのもので、功績を残せば次の代でも騎士爵を名乗ることは出来るが、それができるのは一握りの者だけだろう。

「……ちょう……団長!」

 昔のことを思い出していると、レンが俺を呼んだ。

「それで陛下に自分で探せって言ってどうしたっすか?」

 レンにそう言われ、苦虫を噛み潰したような顔をしながら3日前のことを思い出していた。




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