死にゆく私は、桜の世界で二度と散らない恋をした。
終章

祝福



朝、看護師が見つけたのは、寄り添い合って眠る二人の姿。
そこにはもう、死の病の苦しみも、絶望の香りはなかった。


ただ、窓から吹き込んだ春一番が、二人の物語を祝福するように吹き抜けていった。

春の香りに包まれて、二人は残酷なほど穏やかな絶望を抱きしめたまま、光の向こう側へと旅立った。


カメラの中に残された、鮮やかな毎日の記録。
それは、死を運命づけられた少女と、同じ運命をともにした少年の、この世界に確かに存在したという、消えない証。


散りゆく季節に刻まれた、美しき終焉の物語。



私たちの恋は、桜とともに――永遠になった。

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