バイバイを書いた夜、君が来た ――あの夜、君の声が僕を繋ぎ止めた

第20話 遠い話を、今の距離で

夜の通話は、
大体いつも同じところで終わる。

「そろそろ寝る?」

「んー、もうちょい」

 どちらかがそう言って、
 結局そのまま話し続けてしまう。

 その日も、特別な話題があったわけじゃない。

 配信のこと。
 視聴者から届いた何気ない言葉。
 最近二人でよくやっているゲームの話。

 ただ、空気が落ち着いていた。

 無理に盛り上げなくてもいい、
 沈黙が気まずくならない時間。

「〇〇さ」

 ぱちぇが、少し間を置いて口を開く。

「もしさ」

「うん?」

「このまま、ずっとだったらどうする?」

 軽い問いかけみたいな言い方だった。

「ずっと、って?」

「一緒に配信してさ。雑談して、ゲームして」

 少し笑ってから続ける。

「気づいたら、年取ってるやつ」

 僕は思わず笑った。

「急に未来すぎない?」

「そう?」

「うん」

 でも、ぱちぇの声は冗談だけじゃなかった。
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