あの夏、キミが描いた青空
夜中、雨の音で目を覚ます。
枕元に置いてあるスマホで、時間を確認する。
「まだこんな時間…」
もう一度は寝れそうにない。
毎日こんな風になったらどうしよう。
夜中に目が覚めるのは、もう勘弁だ。
「はぁ…」
特にやることもなく、ベッドの上で何度も寝返りを打ちながら朝が来るのを待った。
*
外が段々と明るくなっていき、朝が来たのだと感じた。
スマホで時間を見ると、『6:30』と表示されていた。
相変わらず雨は止まないけど、すんなり起きれたことが嬉しかった。
だけど、
「おはよー」
リビングに行っても、いつも通りもうお母さんはいなかった。
いつもより15分早く起きたんだけどな。
お母さんの方がもっと早く起きてるのかと思うと、あたしは敵わないなと実感した。
今日もラップを取ってパンを温め直し、朝ごはんを食べた。
準備を済ませたあたしは、いつもより早く家を出た。
昨日琴音とたまたま会った場所まで来たが、流石に今日はいない。
昨日は本当に偶然だったのだ。
もしかしたら、この先二度とないかもしれない。
「あっ…」
前の方に、琴音ではなく大野を見つけた。
まだ朝早く、人がほとんどいないため、大野の周りには誰もいなかった。
あたしは別に大野には用がない。
それに、昨日のことも忘れたい。
あたしは大野から視線を外して歩いた。
それなのに、
「おいブス」
大野から絡んできた。
しかもブスって何よ…。
「何の用?」
あたしは、自分でもびっくりするくらい冷たく言い放った。
「別に?お前がぼっちだったから声かけてやっただけだし」
「はー?」
いちいち突っかかってくるコイツとは、やっぱり仲良く出来なさそうだ。
ほんと、大野といるとイライラする。
「つーか、昨日のこと感謝しろよ?」
「昨日のこと?」
あー、あれか。
思い出したくなかったのにな。
ってか感謝って何を?
「私、大野に何かしてもらったっけ?」
そう言うあたしに、大野は呆れた表情を見せる。
「お前な。昨日俺が先生に見つかったのはわざとなんだぞ?」
え?わざと?って言ったら…。
「もしかして、私のために?」
「おう」
大野って、ウザいけど本当はいい奴なのかな?
「まっ、お前のせいで俺は怒られたけど」
昨日のことを思い出したのか、大野はダルそうに言った。
きっと相当怒られたんだろうなー。
なんであのとき大野が居たのかは謎だが、
「ありがと…」
あたしは小さな声でつぶやいた。