あの夏、キミが描いた青空

夜中、雨の音で目を覚ます。



枕元に置いてあるスマホで、時間を確認する。



「まだこんな時間…」



もう一度は寝れそうにない。



毎日こんな風になったらどうしよう。



夜中に目が覚めるのは、もう勘弁だ。



「はぁ…」



特にやることもなく、ベッドの上で何度も寝返りを打ちながら朝が来るのを待った。







外が段々と明るくなっていき、朝が来たのだと感じた。



スマホで時間を見ると、『6:30』と表示されていた。



相変わらず雨は止まないけど、すんなり起きれたことが嬉しかった。



だけど、



「おはよー」



リビングに行っても、いつも通りもうお母さんはいなかった。



いつもより15分早く起きたんだけどな。



お母さんの方がもっと早く起きてるのかと思うと、あたしは敵わないなと実感した。



今日もラップを取ってパンを温め直し、朝ごはんを食べた。



準備を済ませたあたしは、いつもより早く家を出た。



昨日琴音とたまたま会った場所まで来たが、流石に今日はいない。



昨日は本当に偶然だったのだ。



もしかしたら、この先二度とないかもしれない。



「あっ…」



前の方に、琴音ではなく大野を見つけた。



まだ朝早く、人がほとんどいないため、大野の周りには誰もいなかった。



あたしは別に大野には用がない。



それに、昨日のことも忘れたい。



あたしは大野から視線を外して歩いた。



それなのに、



「おいブス」



大野から絡んできた。



しかもブスって何よ…。



「何の用?」



あたしは、自分でもびっくりするくらい冷たく言い放った。



「別に?お前がぼっちだったから声かけてやっただけだし」



「はー?」



いちいち突っかかってくるコイツとは、やっぱり仲良く出来なさそうだ。



ほんと、大野といるとイライラする。



「つーか、昨日のこと感謝しろよ?」



「昨日のこと?」



あー、あれか。



思い出したくなかったのにな。



ってか感謝って何を?



「私、大野に何かしてもらったっけ?」



そう言うあたしに、大野は呆れた表情を見せる。



「お前な。昨日俺が先生に見つかったのはわざとなんだぞ?」



え?わざと?って言ったら…。



「もしかして、私のために?」



「おう」



大野って、ウザいけど本当はいい奴なのかな?



「まっ、お前のせいで俺は怒られたけど」



昨日のことを思い出したのか、大野はダルそうに言った。



きっと相当怒られたんだろうなー。



なんであのとき大野が居たのかは謎だが、



「ありがと…」



あたしは小さな声でつぶやいた。
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