「ちょーだいっ!」
可愛い物好き
「ミヤちゃんっ!なんなのよこれぇ…」

今日のおやつはだぁーいすきなドーナツ。
ママはお菓子作りがめっちゃ上手なの。
手作りのおやつを用意してミヤが学校から帰ってくるのを待ってくれている。

今日はどんなことをして遊んだとか、友達との恋バナとか、そういう一日の出来事をママとお喋りするのが大好きな時間。

最近はミヤの小学校でもシール交換が大流行しているけれど、正直ミヤはあんまり興味が無い。
むしろ別のコレクションに大ハマり中なの。

甘いドーナツを頬張っていたらミヤのお部屋のほうからママの悲鳴が響き渡ってきた。

「もぉー。ママぁ?びっくりするじゃん」

ゆっくりとミヤを振り返ったママは張り裂けそうなくらい目を見開いている。
その瞳を覗き込む。

…要らない。

金曜日はメンテナンスの日って決めている。
一週間、大切なコレクションをクローゼットに仕舞ったままだからお掃除してあげるの。
今日もおやつの前にメンテしていたらママに呼ばれて、元の場所に戻すのを忘れちゃってたみたい。

「ミヤ…もしかしてあなただったの…」

ミヤはね、「きれい」とか「可愛い」が大好き。
だから全部全部ミヤの物にしたくなっちゃうの。

きっかけはクラスメイトの大森さん。
ミヤの爪はまあるいけれど大森さんの爪は幅が狭くてきれいな形をしていた。

「いいなあ。ねぇ、ちょーだいっ!」

「あはは!褒めてくれるのは嬉しいけど無理だよぉ」

ミヤはすごく欲しかったのにムカついた。
だから放課後、プールに呼び出して突き落とした。
泳げない大森さんは簡単に死んじゃった。
それから二時間目に図工室から持ち出していたペンチで大森さんの爪を盗んだ。

大森さんが事故で死んじゃったことは学校中の騒ぎになったけれど、ミヤはこれにハマちゃった。

抵抗されたら困るから、小さい子どもを中心に指、耳、眼球、髪の毛。
いろんな物を盗んだ。

体の一部が壊れちゃった死体が続けて見つかって、ニュースにまでなった。
そのどれもがミヤの大切なコレクションとして、ここにある。

きれいなお菓子の缶やアクリルボックスに溜め込んだ宝物たち。
でもちょっと臭くなってきちゃった。
見た目も汚くなってきた。

あーあ。
また素敵探し、始めなくっちゃ。

ミヤを凝視したまま動けないでいるママの顔。
髪の毛。腕。足。

「んー…やっぱいーらないっ」
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