元恋人と、今日から同僚です
午後は、外部スタッフへの連絡作業に追われた。
スタジオの予約確認、モデル事務所との最終調整。
ヘアメイクさんのスケジュール確認。地味だけど、一つ一つが重要な仕事だ。
メールを打っていると、朝倉がやってきた。
「結城さん、小道具リストの件で確認があります」
「何?」
「スキンケアアイテムのサンプルなんですけど。
メーカーから直借りですよね?連絡先は——」
「ここに書いてある。担当者名と電話番号。
あと、貸出依頼書のテンプレートもあるから、それ使って」
朝倉にファイルを渡す。指が触れないように、気をつけた。
「ありがとうございます」
「メーカーへの連絡は、丁寧にね。
向こうも宣伝になるから協力的だけど、横柄な態度は禁物」
「わかりました」
朝倉が自分の席に戻っていく。
その背中を見ながら思う。
五年前と変わらない。
仕事に対する姿勢、真剣な目、メモを取る仕草。
あの頃から、朝倉はいつも真面目だった。
私が終電まで働いていることを心配したのも、きっと真面目だからだ。
不真面目な人間は、他人の身体なんか心配しない。
それを、私は「足を引っ張っている」と受け取っていた。
間違っていたのは、私の方だったのかもしれない。
——いや、今さらそんなことを考えても仕方ない。
首を振って、パソコンに向き直る。
過去は過去。今は今。
今は……仕事に集中しよう。
スタジオの予約確認、モデル事務所との最終調整。
ヘアメイクさんのスケジュール確認。地味だけど、一つ一つが重要な仕事だ。
メールを打っていると、朝倉がやってきた。
「結城さん、小道具リストの件で確認があります」
「何?」
「スキンケアアイテムのサンプルなんですけど。
メーカーから直借りですよね?連絡先は——」
「ここに書いてある。担当者名と電話番号。
あと、貸出依頼書のテンプレートもあるから、それ使って」
朝倉にファイルを渡す。指が触れないように、気をつけた。
「ありがとうございます」
「メーカーへの連絡は、丁寧にね。
向こうも宣伝になるから協力的だけど、横柄な態度は禁物」
「わかりました」
朝倉が自分の席に戻っていく。
その背中を見ながら思う。
五年前と変わらない。
仕事に対する姿勢、真剣な目、メモを取る仕草。
あの頃から、朝倉はいつも真面目だった。
私が終電まで働いていることを心配したのも、きっと真面目だからだ。
不真面目な人間は、他人の身体なんか心配しない。
それを、私は「足を引っ張っている」と受け取っていた。
間違っていたのは、私の方だったのかもしれない。
——いや、今さらそんなことを考えても仕方ない。
首を振って、パソコンに向き直る。
過去は過去。今は今。
今は……仕事に集中しよう。