元恋人と、今日から同僚です
昼過ぎ、休憩時間。
モデルとヘアメイクが控え室で昼食を取っている間、私と朝倉はスタジオの隅で弁当を食べていた。
「午前中、どうだった?」
「すごく勉強になりました。現場の空気感とか。
タイミングの取り方なんて、見ているだけで学ぶことが多いです」
「よかった」
朝倉が弁当をつつきながら、言った。
「結城さん。現場での指示が的確ですね。迷いがない」
「……慣れてるだけだよ」
「それだけじゃないと思います。全体を見渡せてる。
モデルさんの表情とか、カメラマンさんの動きとか。
照明の加減まで。全部把握してる」
褒められて、少し照れくさい。
顔に出さないように、弁当に視線を落とした。
「朝倉も、よくやってくれてる。助かってるよ」
「ありがとうございます」
朝倉が少し嬉しそうに笑った。
その笑顔を見て、胸が締め付けられる。
仕事のことだけ。今は。それ以上は考えない。
何度も——自分に言い聞かせていた。
◇
午後五時——
午後の撮影も順調に進み、予定通りに撮影が終了した。
大きなトラブルもなく終われた。まずは一安心だ。
機材の片付けを終え、スタジオを出たのは六時過ぎ。
外はもう薄暗くなっていた。
「お疲れ様でした」
「お疲れ様。今日はありがとう、助かった」
「いえ、俺の方こそ勉強になりました」
朝倉と並んで、駅に向かって歩く。
撮影の疲れで、足が重い。でも、充実感もあった。いい撮影ができた。
「このあと、会社に戻りますか?」
「私は戻る。写真のセレクトを始めないといけないから」
「俺も手伝います」
「……いいの? 疲れてるでしょ」
「大丈夫です。最後までやりたいんで」
その言葉が、素直に嬉しかった。
投げ出さない責任感。昔から、朝倉はそれを持っていた。
「じゃあ、お願いするかな」
「はい」
二人で会社に向かった。
モデルとヘアメイクが控え室で昼食を取っている間、私と朝倉はスタジオの隅で弁当を食べていた。
「午前中、どうだった?」
「すごく勉強になりました。現場の空気感とか。
タイミングの取り方なんて、見ているだけで学ぶことが多いです」
「よかった」
朝倉が弁当をつつきながら、言った。
「結城さん。現場での指示が的確ですね。迷いがない」
「……慣れてるだけだよ」
「それだけじゃないと思います。全体を見渡せてる。
モデルさんの表情とか、カメラマンさんの動きとか。
照明の加減まで。全部把握してる」
褒められて、少し照れくさい。
顔に出さないように、弁当に視線を落とした。
「朝倉も、よくやってくれてる。助かってるよ」
「ありがとうございます」
朝倉が少し嬉しそうに笑った。
その笑顔を見て、胸が締め付けられる。
仕事のことだけ。今は。それ以上は考えない。
何度も——自分に言い聞かせていた。
◇
午後五時——
午後の撮影も順調に進み、予定通りに撮影が終了した。
大きなトラブルもなく終われた。まずは一安心だ。
機材の片付けを終え、スタジオを出たのは六時過ぎ。
外はもう薄暗くなっていた。
「お疲れ様でした」
「お疲れ様。今日はありがとう、助かった」
「いえ、俺の方こそ勉強になりました」
朝倉と並んで、駅に向かって歩く。
撮影の疲れで、足が重い。でも、充実感もあった。いい撮影ができた。
「このあと、会社に戻りますか?」
「私は戻る。写真のセレクトを始めないといけないから」
「俺も手伝います」
「……いいの? 疲れてるでしょ」
「大丈夫です。最後までやりたいんで」
その言葉が、素直に嬉しかった。
投げ出さない責任感。昔から、朝倉はそれを持っていた。
「じゃあ、お願いするかな」
「はい」
二人で会社に向かった。