元恋人と、今日から同僚です
 どう思っているか。
 そう聞かれて、答えられなかった。

 好きじゃない、ではない。
 好き? それもなんか違う。

 わからない。本当にわからない……

 五年前は、確かに好きだった。一緒にいたいと思っていた。
 別れた時は辛かったし、泣いたし、立ち直るのに、時間がかかった。

 今は——どうなんだろう。

 また好きになっているのか。
 それとも、ただの情?
 昔の記憶に引きずられているだけ?

「……わからない」

 正直に答えた。
 宮本が、小さくため息をついた。

「わからないって、一番厄介ですよ」
「わかってる」
「わかってないから、わからないんでしょ」

 正論すぎて、何も言えない。

「とりあえず、今日は帰った方がいいですよ。疲れてるでしょうし、頭冷やした方がいい」
「……まだ仕事残ってる」
「明日でもいいじゃないですか。朝倉さんと二人で残業とか、余計にこじれますよ」

 それも、正論だった。
 今の状態で朝倉と二人きりになったら、何を言い出すかわからない。自分が怖い。

「……わかった。帰る」
「そうしてください。なう。ハリー!」

 宮本が、少しだけ笑った。
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