好きです、先輩。別れてください
楓茉先輩は映画の海のシーンの撮影に来ていたらしく、あのあとすぐに戻っていった。
私はというと、どこに行ってたのって仁那にちょっと怒られた。
でも、ナンパされたことも楓茉先輩と会ったことも内緒。心配かけたくないから。
《猫葉くんに話したいことがあるの》
《時間空いてるときある?》
そう送ったのは、何もなかったかのように仁那と海で遊びまくって、家に帰ってから。
私が先輩の言葉に応えるためには、猫葉くんの告白にきちんと返事をしなきゃいけないと思った。
好きって言ってもらったあのとき、私はパニックになってろくな返事ができなかったから。
先輩にまた好きって言ってもらったからじゃない。
ずっと前から思っていたの、伝えなきゃいけないって。
《祖父母の家に行くから今週中ならいつでも》
《じゃあ木曜日は大丈夫?》
《大丈夫だよ》
曖昧にできない。
猫葉くんに私ができる最善のことは、変に期待させずにはっきり伝えること。
私のわがまま。
私は猫葉くんと友だちのままでいたいよ───