好きです、先輩。別れてください
「やっぱりこれにしよ。買ってくるからちょっと待ってて」


「わかりました〜」




ネクタイコーナーにくる前にウィンドショッピングしてたからそれなりにいい時間になっている。


先輩が戻ってきたらたぶん、駅にいって今日はお開きだ。


だから、あと少しで……




「お待たせ、さっきの買えたよ」


「気に入ってくれるといいですね!」


「きっと気に入ってくれると思うよ。はんちゃんが見つけてくれたやつだし」


「だといいです!」




すっと差し出された手に、一瞬迷った。


先輩には気づかれていないだろうけど。


私はやっぱり弱くて……先輩のことが好きだからその手をとる。




「そろそろ帰ろうか」


「……はい」




やっぱり帰ろうってなった私たちは、近くの駅から電車に乗り、到着した家までの最寄駅からしばらく歩く。


私が選んだのは、人通りも少なくなってきた、なんの変哲もない線路沿いの道端。


繋がれていた手をそっと離した。




「……どうしたの?」




私の目を真っ直ぐに見ている先輩は……困惑してる。


今まで私が何もないときに自分から手を離すなんてしてこなかったから。

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